「心を無にする」と聞いても、それがどのような状態なのか? 修行を始めたばかりの頃は、得心がいかなかった。 しかし、日々とらわれている些末なこと、枝葉の雑念を削ぎ落としていくと、 それまで心の奥で沈黙を保っていた太い幹が見えてきた。 私はきょうも目を閉じ、沈黙の幹との対話へ向かう。